骨盤矯正ダイエットのウソとホント

当院にもよくあるのですが、「骨盤が開いて戻らないので、骨盤矯正してください」という方がみえます。

解剖学をしっかり学んだ先生方、ここらではっきり言っておきましょう。

「骨盤は開いたり、歪れたりしません」と。

「骨盤矯正」という言葉がしっかりと市民権を得ているため、当院でも「いわゆる骨盤矯正」という表現をしていますが、実際の施術は、股関節と最下位の腰の骨と骨盤の後上部の関節にアプローチしています。

骨盤というのは腸骨、恥骨、坐骨が三つが大人になると共に一体化した寛骨が左右に一対と、後ろ側の仙骨という三つの骨、さらに仙骨の下位の尾骨で作られています。

それらの骨の周り、特に背中側は靭帯や筋肉で強固に結合しています。

つまり、仙骨と寛骨の関節は存在しているけど可動性はほぼ無いということです。

前部の左右の恥骨の結合も、出産時にわずかに動くことがあるようですが、普段の生活の中ではまず動かないでしょう。


実際に「骨盤矯正で痩せたよ」という方もみえるかもしれません。

それは、「せっかく骨盤矯正をしたのだから痩せよう」という自己暗示などの心理効果が大きいのではないでしょうか。

骨盤矯正ではなく、その人の栄養の摂り方や運動などの自己努力の効果の方が、はるかに大きいのです。

以上のような理由で、骨盤は前後左右に傾くことはあっても、開いたり歪れたりしないことと、骨盤矯正だけでは痩せることはないと、私は断言します。

もし、どこかで施術を受けるとして、「あなたは骨盤が開いているから…」なんて言われたら要注意です。

その人は、メディアの言うことを鵜呑みにして自分で考えない人か、「骨盤矯正と言えば誰でも飛びつくから」と考えている、お金儲けだけが目的の人です。
ここまで、いろいろと私見を書きましたが、私は「骨盤矯正」自体を否定しているわけではありません。

世間で行われている骨盤矯正はたいていは身体にとても良いものです。

腰回りの、局所的な血行がよくなることで、腰痛はよくなります。

いわゆる骨盤矯正の技術を持つ先生方は、併せて他の部位の背骨を整える技術も持っている方が多いですから、それらの施術で痛みを軽くしてくれることでしょう。

私が否定するのは、「骨盤矯正で痩せる」というデタラメを伝えること、またデタラメを疑うことなく受け取ることです。

これは、「痩せる」と聞いたら、何にでも飛びつくような人が多いことが本当の問題なのです。

自分で考えない人が増えていること、この「知の衰退」について、痩身を通じて微力ながら警鐘を鳴らしていきたいです。