「ナルシスト」と聞くと、あまり良い意味にはとられないでしょう。
心理学では、過剰な自己中心的考え、共感の欠如、称賛されたいという欲求に特徴付けられる人格障害とされています。
そして、世間でナルシストの代表のように思われているのが、ボディビルダーです。
マイナーなスポーツなので、仕方がないのかもしれませんが、何となく偏見がありませんか。
ボディビルというのは「筋肉を肥大させながら脂肪を削ぐ」といった、とても苛酷な競技です。
しかも、階級制限があるので、筋肉を維持したまま、体重を減らすこともあれば増やすこともあるのです。
筋肉も体脂肪も体重も、自らの意志で変えることができるということ。
ボディビルダーは、実はダイエットの達人なのです。
ボディビルダーの方々というのは、徹底的に節制して体型のデザインをしているのです。
トップクラスの方ともなれば、栄養学にも精通していて食事も気を使ってみえることでしょう。
これを真似できますか。
ナルシストになるくらいの自信を得るほど、努力ができますか。
ボディビルダーに限らず、必死に筋肉を鍛える人に対して、悪意ある「ナルシスト」という言葉は、嫉妬心からではないですか。
本気でトレーニングに取り組んでいると、明らかな筋肉の発達を確認できますから、その結果が嬉しくて、鏡を見ることが好きになってきます。
身体を鍛えたことがない人には、その行動は理解できないのでしょう。
心と身体は連動します。
筋肉の トレーニングというのは、武道や芸事の修行のように、身体や作法を磨いた結果、精神が磨かれる様によく似ています。
自分が嫌いで自己否定している人より、自分が好きで自信のある人の方が魅力的です。
劣等感と優越感は表裏一体で、誰かと比べているから、そのような感情が湧くのです。
「自分が好き」と言える人は、人より劣っている部分があることが当然として、さほど気にしません。
他人の同意など求めずとも 「自分が一番」であり、自信があるからこそ、他人も認める ことができるのです。